私と私の親友恵理ちゃんは、この二人の仲を色々と勘繰っている最中だ。
変に邪魔はしたくないので、誰かに話したりはせずにこっそり見守ろうと心に決めている。
「そういえば鶴吉は四級の試験、ギリギリで合格だったよな」
「後輩の前でそれ言うなよ亀世ー。だって自分で作った祝詞を試しちゃ駄目なんて最初の説明では言ってなかっただろ?」
顔がそっくりなこの二人も同じく二年生の先輩だ。
眼鏡をかけた小柄な彼女が飛鳥馬亀世さん、背が高く人懐っこい顔の彼は飛鳥馬鶴吉さん。この学校では珍しい双子の学生だ。
この二人とは二学期に色んなことがあったおかげで親しくなった。
「二年はいいよなぁ、階級試験だけに集中出来るじゃん」
慶賀くんが不貞腐れたようにそう言う。
二年生の進級条件は直階三級の取得、一年生で直階を既に取得しているので三級の実技試験だけ受ければいいらしい。
「三級の実技から一気に難しくなるんだよ」
「とかいいつつ聖仁さん権正階二級持ってんじゃん! 優秀じゃん聖人じゃん!」
「そうだそうだ。言ってやれ慶賀。お前はサイヤ人だって」
「亀世? なんか最後の方余計なの聞こえたけど」
わいわいと盛り上がる皆に「また学校が始まるんだな」と改めて実感する。
三学期は学校行事も沢山あるし、忙しくなりそうだ。