はぁ、と深く息を吐く。
明日の昼休憩の時に教えて貰って夕方に仕上げて、次の日の朝一に神修行きの車に預ける?
もう既に一週間も遅れているし、明日出そうと明後日出そうと大差ないような気もするけれど気持ちは明日中に出したい。
どうしよう、と肩を落としてスマホの画面がちらりと目に入った。スマホに手を伸ばしかけて「いやいやいや」と我に返る。
「俺に面倒をかけるなとか言われそう……自業自得だろ自分で何とかしろとか……」
どちらも安易に想像がついて、まだ何も言われてもいないのにへこんでしまう。
でも、あと頼れるのは彼しかいない訳だし……。
えい、と勢いのままにトーク画面を開けた。
『まだ起きてる…? 夜遅くにごめんね。中間レポートの書き方で聞きたいことがあるんだけど、部屋まで聞きに行ってもいい?』
意外なことに私が画面を閉じる間もなく既読がついた。すぐに返事は来た。
『居間』
私の質問には答えないたった二文字の返信に首を傾げる。
けれど直ぐにメッセージの意味に気が付き、筆箱とレポートを持って部屋を飛び出した。