「僕が、僕がこれ程悩んでたって言うのに!!」

「んなの知らねーよ! お前が悩んでただけだろ!」

「そうだぞ! 俺らには居眠りする程度の悩みだったってことだろ!」

「ごめんって来光! 次はちゃんと聞くからもう一回頭からお願い!」


だからそれは逆効果な気がするんだけど、と心の中で突っ込む。

オラァアと枕をぶん回す来光くんに落ち着いて!と叫ぶ。


「とにかく、過去の事が知られたくなくて気に病んでたんだろ! いでっ!」


枕でお尻を叩かれた慶賀くんが飛び跳ねながらそう叫ぶ。


「それはそうだけど……!」

「じゃあもう全部聞いたわけだし、何も問題なくね!? 何をそこまで気にしてたのかは知らねぇけどさ、知ったところで俺らは今まで通りだつーの!」


来光くんが振り上げた手をピタリと止めた。

その隙に泰紀くんが枕を奪い取って胸に抱きしめる。皆は肩で息をしながら疲れたようにその場に座り込んだ。


「これからもこれまでと同じ! なんも変わんねぇ! これにて一件落着!」

「そうだそうだ! この話は終了! だから落ち着け、な?」

「て言うか、俺たちがその程度だって思われてたことの方が気になるんだけど」


嘉正くんのその言葉に、来光くんは目を見開いた。