いつかこいつらも変わる日がくる。夏が来る頃には影で笑われて。


「なぁ来光! 今週の金曜の夜から泰紀の部屋で映画観るから!」

「いや僕、部屋で本読むし……」

「強制参加だっつーの! キヒヒ、日曜の夜まで帰れると思うなよ〜」


秋が来る頃には無視されて。


「来光! 頼むよ宿題写させてくれ!!」

「ヤダ。自分でやるから宿題なんでしょ」

「誰がやろうと宿題には変わりねぇだろ! ドケチ眼鏡!」

「とんでもない屁理屈だし、それが人に物頼む態度かよ!」


冬が来る頃には嫌われて。


「来光、大丈夫? これ今日の授業のプリントとノートのコピー。無理しないでね」

「昼飯に三色団子出たからとっといてやったぞ〜」

「お前ヒョロヒョロだからすぐ風邪ひくんだよ。筋肉をつけろ筋肉を!」

「もー……お前らうるさい……フフ」


次の春には嫌われて。


「僕のつくったお菓子食べたの誰!?」

「僕ではありません」

「僕ではありません」

「ごめん、ちょっと食べた」

「嘉正以外の馬鹿二人はそこへ並べーッ! あと嘘つくなら、口元拭ってから言えこの野郎!」