"山本智死ね。森口純太消えろ。澤田龍斗居なくなれ。濱谷俊臣死ね。小林賢太消えろ。丸山迅居なくなれ。田辺ひかる死ね。木田佳祐消えろ。井上徹居なくなれ"

最後に書いたページの内容が脳裏をよぎった。

あ、と情けない声が喉の奥から漏れる。


駄目だ、駄目だ駄目だ駄目だ。最後のページを見られたら。だって最後のページにはこいつらの名前を書いて。

奴らがどんどんページをめくっていく。

どんどん書いた記憶が新しい日記が読まれていく。


駄目だ、まずい。もう次のページには────。



「……は? 何コレ」


ノートを手にしていたクラスメイトが眉根を寄せて低い声でそう呟いた。


ばくん、心臓が跳ねた。

背筋を冷たい汗が流れて、胸の真ん中の血管が激しくどくどく脈を打つ。



「なになに? コイツ何か書いてた?」

「俺にも見せて〜」



ノートを覗き込んだクラスメイトらの顔がどんどん険悪になっていく。



「おい来光、これどういうつもりや?」


床に叩きつけられたノート。最後に書いたページが開かれていた。

それは、と口を開いた瞬間、胸ぐらを掴まれて押し倒された。息が詰まってクッと唸り声を漏らす。



「山本智死ね。森口純太消えろ。澤田龍斗居なくなれ。濱谷俊臣死ね。小林賢太消えろ。丸山迅居なくなれ。田辺ひかる死ね。木田佳祐消えろ。井上徹居なくなれ……お前が書いたんか? そうよな、だってお前の日記やもんな!?」


顔を真っ赤にして僕の胸ぐらを激しく揺する。