折り紙を机の上に置いた先生は「よろしくな」と僕の方を叩くと、教卓へ戻って行った。
気軽に話しかけて聞けるような友人はいないので、クラスメイトがヒソヒソと話している会話の内容で知ったのは、その二人が先週に大怪我をして入院することになったという事だった。
帰宅途中に交通事故に巻き込まれて、一時は本当に危険な状態だったらしい。
山本と濱谷、二人とも率先して僕を虐めていたやつだ。あの日も教室にいて、楽しそうに僕を見て笑っていた。
折り紙を手に取った。ぐしゃりと手の中で丸める。
唇を噛み締めると丸まったそれを机の奥底に押し込んだ。