────山本智死ね。森口純太消えろ。澤田龍斗居なくなれ。濱谷俊臣死ね。小林賢太消えろ。丸山迅居なくなれ。田辺ひかる死ね。木田佳祐消えろ。井上徹居なくなれ。
どうやって帰ってきたのかは覚えてない。けれど家に着いたその瞬間、ランドセルを投げ捨てて引き出しに入れていた日記に勢いよくそう綴った。
力任せに書きなぐって何度も鉛筆が折れた。その度に壁に投げ捨てて、新しい鉛筆で書き続けた。
そうする以外に、この感情を何処へぶつければいいのか分からなかった。
身を燃やし尽くしそうなほどの怒りが腹の底から湧き上がってくる。それなのに何故か、胸の辺りは苦しくて苦しくて仕方なかった。涙が溢れて止まらなかった。
何よりも胸が痛かった。張り裂けそうなほど痛かった。
────三好正信、
そこまで書いて手がパタリとどまった。
代わりにぼたぼたと大粒の涙がノートにシミを作った。
三好正信、三好正信、三好正信。何度名前を書いても、その先の言葉が書けなかった。
その日の夜に僕は40度を超える熱を出して、一週間学校を休んだ。
身体中に力が入らなくて、一週間のほとんどを気絶したように眠って過ごした。それで丁度良かった。
何も考えずに眠れるのは、丁度良かった。