義勇軍、かむくらの神職。混乱する戦況の中立ち上がった有志たち。
お父さんやお母さんも、その中の一人だったんだ。
「みんな勇敢だった、みんな良い奴だった。……惜しい奴らを亡くしたな」
禄輪さんが写真の中に写る何人かをそっと撫でた。写るメンバーの半数以上だ。その中にはお父さんとお母さんもいる。
きっと他の人たちも、もうこの世にはいないんだろう。
「すまん、湿っぽい話になったな。私はもう戻る。これ片付け任せていいか?」
「あ……はい。もちろんです」
「ありがとう」
膝を叩いて立ち上がった禄輪さんは、私が顔をあげられないくらいに強く頭を撫でた。