少し拍子抜けしながらも用心深く周りを見渡せば、確かに影やすみに小さな妖がいる。けれどこちらには目もくれず、こそこそと影から影へ移っては物陰に身を潜めている。

彼らは自分たちに興味がないらしい。むしろ自分たちから隠れるように隅へ隅へと逃げていく。


どういうこと?と不思議に思いながらも、ちょっかいをかけてこないなら好都合だ。

何度か深呼吸をして自分を落ち着けて、いつものように知らないフリ見えないフリを決め込み歩き出した。