そのアルバムの最後は神職の正装をしたみんなが鳥居の下で卒業証書の筒を掲げる写真だった。きっと卒業式だろう。
両親の手はしっかりとお互いの手を握っている。
禄輪さんは、もう一人の女の子の肩を抱いていた。その女の子は頬を赤らめてはにかんでいる。
これはもしや、と身を乗り出したその時「こら!」と背後からいきなり大きな声がして飛び跳ねた。
「ろ、禄輪さん……!」
弾けるように振り返ると、悪戯が成功した時の顔で腕を組んで立っている禄輪さんがいた。
「はは、驚いたか?」
「め、めちゃくちゃ驚きました……!」
ばくばくうるさい心臓を抑えて息を吐く。
からからと笑った禄輪さんは私のそばに腰を下ろした。
「三方が足りなくて取りに来たら、巫寿がいたもんで俺も驚いたよ。それにしても、懐かしいもん引っ張り出してきたな」
私が広げていたアルバムを懐かしそうな顔で引き寄せた禄輪さん。
「あの、勝手に見てごめんなさい」
「いいさ、減るもんじゃないし。少し恥ずかしいがな。にしても急にどうしたんだ? 昔のアルバムなんて引っ張り出して」
「巫女頭から、両親の写真もあるって聞いて」
なるほどな、と禄輪さんは頷く。