禄輪さんと両親の幼い姿だった。

よく見ればお父さんののほほんとした笑い方は幼い頃から変わっていない。お母さんも禄輪さんも、みんなどこか名残がある。


それ以降の写真は必ず三人で写っている。

学校行事や夏休みの写真だろうか。制服姿、浴衣姿、水着姿、どの写真も心の底から楽しそうに三人揃って笑っている。


やがて三人の制服姿が中等部の制服になって、もう一人よく写る人物が増えた。

肩上位の長さの日本人形みたいな綺麗な黒髪で、目鼻立ちの整った利発そうな女の子だ。


以降の写真にはからなずその四人で写っているということは、きっと禄輪さんと同じくらいに仲が良かったんだろう。


それだけ親しければ名前くらい聞いたことはあるはずなのだけれど、写真の傍には月日の記載があるだけで肝心のその子の名前は記されていない。


やがて三人の制服が高等部のものになる。その辺から、お父さんとお母さんが横並びで映る写真が増えた。

前に先生に見せてもらった奉納祭でお母さんが神楽舞を奉納する姿を写した写真もあった。巫女舞の装束姿のお母さんに見蕩れて頬が緩むお父さんの写真もある。


この頃から付き合ってたりしたのかな、なんて推測してくふくふと笑う。