妙に意識してしまう自分が恥ずかしい。

今日一日ずっと一緒に働くのに、どんな顔をして会えばいいんだろう。


はぁぁ、と肺の空気を全て吐き出す。


「巫寿ちゃーん、そろそろ福神の衣装着替えて────って、姿勢悪いで! 神職は姿勢よく!」


裏の扉から授与所に入ってきた千江さんに頭を抱えているのを見付かってペシンと背中を叩かれる。

飛び起きるように慌てて姿勢を正した。


「なんやの赤い顔して」


不思議そうに私の顔を覗き込んだ千江さんに、ぶんぶんと首を振って立ち上がった。

前髪を引っ張り整える振りをしながら「衣装着替えてきます!」と授与所を飛び出した。