ふん、と鼻を鳴らした慶賀くんは座り直すとガツガツとオムライスをかき込んだ。

私たちは顔を見合せた。

しばらくの沈黙の後、嘉正くんがぷっと吹き出して釣られるようくすくすと笑った。


「確かに内気な来光にはそれくらいが丁度いいのかもね」

「あっ、俺に配慮とか期待すんなよ!?」

「してないよ。そんな器用なこと出来ないでしょ」

「ああ出来ねぇ!」


開き直った慶賀くんがおかしくてたまらない。


「俺も色々気遣って悩むのやーめた。今日から部屋戻ろっと。そろそろベッドで寝たいし」


嘉正くんが伸びをしてスプーンを握り直す。

慶賀くんの頭をぐりぐりと撫でた泰紀くんは久しぶりに晴れた顔をしていた。