審神者のみが使役することが出来る妖で、お互いに利害関係が一致した時のみ主従を結ぶことが出来る存在だ。
その契約は強固で一度結べばそう簡単に反故することは出来ない。だから十二神使は主従関係を結ぶ際に、自分に取ってその審神者は利になるのかを見定めるらしい。
手紙には少なくとも三匹の十二神使の名前があげられた。少なくとも四匹の神使たちが認めるほど、志ようさんの力は強かったのだろう。
「いちばん賑やかな時期で確か八匹おったんやったかな」
「そんなに……!」
「そうそう。こないにようけおるから、毎日どこかしらが喧嘩しよってたまらん言うてたわ」
それなら寂しいなんて思う暇もないのかもしれないな。
そんな事を考えてくすくすと笑い、ふと志らくさんの言葉に疑問を抱いた。
「あの、今いちばん賑やかな時でって言いましたよね? それってどういう……」
ああ、と小さく頷いた志らくさんは口を開いた。
「それは私もよく分からんねんけど、十二神使の最後の一人と契約解消した〜って手紙が最後に届いたっけな。だからそれまでに少しずつ契約解消してたんちゃう?」
手紙の束を漁った志らくさんは「ああこれか」と一通の手紙を差し出した。
受け取りながら眉をひそめる。