次の日は土曜日で、お勤めが休みの私たちは出かける訳でもなく社宅の居間に集まってワイドショーをぼうっと眺めていた。

先週までは休みの日は朝から晩まで各々に出掛けたり近くの街まで一緒に遊びに行っていたけれど、流石に今日は誰も出掛ける気にならなかったらしい。

時短レシピを紹介するコーナーが始まって泰紀くんが欠伸をこぼし机に伏せった。慶賀くんは少し前にこたつに潜り込んで眠っている。


「嘉正くん。この地縛霊と浮遊霊の違いについての記述問題なんだけど……」

「ん? ああそこはね、各霊の発生状況を比較した上で────」


私はと言うと、約二ヶ月後にある昇階位試験に向けて試験勉強に励んでいた。



「────だから、この答えになるんだけど……巫寿?」


隣で同じように試験勉強をしていた嘉正くんが私の名前を呼んでハッと我に返る。

心配した顔で私を伺う。


「ご、ごめん。もう一回いい?」


せっかく教えてくれていたのにボーッとするなんて。

慌ててボールペンを握り直すと、嘉正くんは小さく笑う。


「そろそろ昼ご飯だし、一旦ここでストップしよっか。もう三時間も集中してやってたし」

「ごめん……」

「俺も丁度集中力切れたからさ。飲み物取ってくる。巫寿もお茶でいい?」

「あ、うん……! ありがとう」