「ああ、本当に泉寿ちゃんと一恍にそっくりだ」

「ほんとに……祝寿くんもこんなに大きくなって」



無事に巫女舞を奉納した後、お兄ちゃんや禄輪さんの元へ駆け寄ろうとして呼び止められた。振り向くと禄輪さんと同じ歳くらいの夫婦二人が立っていた。

「貴女、もしかして椎名巫寿ちゃん?」そう尋ねられ不思議に思いながらも頷くと、女性の方がバット手を広げたかと思うといきなり私を抱きしめた。

あまりに突然の事で固まっていると「なんだ来てたのか」と禄輪さんが二人に親しげに話しかける。一緒にいたお兄ちゃんも「お久しぶりです」と二人を知った様子で話しかけた。



「お兄ちゃん?」

「おふたりは父さんと母さんの友達だよ。巫寿も小さい時に何度か会ったことあるんだけど、さすがに覚えてないか」


必死に記憶をたどったが思い出せそうになく「すみません」と頭を下げる。

いいのいいの、と二人は全く気にする様子もなく嬉しそうに笑った。



「おーい、禄輪。こんな所にいたのか」


遠くからまた別の男性が禄輪さんへ手を振りながら駆け寄ってくる。


「おお久しぶり。なんだお前、老けたな」

「お前なぁ……12年振りの再会なんだぞ。もっと感慨深そうにしろよ……って、なんだお前らも来てたのか!」