佳祐くんは堪えるように唇をかみ締めた。目を真っ赤にして布団を見つめる。


「分かってる……サイテーな事したって」


その声色からは強い後悔の念が伝わってくる。

流石に言い過ぎたと思ったのか慶賀くんが戸惑うように後頭部をかいた。


「まぁ後悔するくらいなら今後は同じ過ちを繰り返さないことだね。君のことはかなり軽蔑してるけど、仕事だから犯人はきっちり探すよ」


嘉正くんがそう言って立ち上がる。

そろそろ切り上げるつもりなんだろう。

私たちも立ち上がってパイプ椅子を片付け始めた。ふと時計を見上げる。


「来光くん遅いね」


ナースステーションの前で別れてからもう三十分近くは経っている。

コンビニでお見舞いのお菓子を適当に見繕ってくると言っていたけれど、それにしても時間がかかりすぎな気がする。


「確かに遅いね。俺電話して────」


コンコン、と病室のドアがノックされた。

カラカラと引き戸が開いてコンビニの袋を提げた来光くんが顔を覗かせて、ほっと息を吐いた。


「遅かったね、もう出るところだよ」

「あれ、もう事情聴取終わったの? ごめん任せっきりで。病院のコンビニにアイス売ってなくて、近くのコンビニまで行ったから時間かかって」


袋の中身をガサガサと弄りながら来光くんが入ってくる。


「でも近くのコンビニもあんまりいいやつ売ってなくてさ。ジャンボモナカとあずきバーくらいしか買えなか────」

「お前……! 死神か!?」