それにしても嘉正くんでもこんな子供じみた仕返しをするんだ、とちょっと驚く。
親戚だと嘘をつくなら色々設定はあるだろうに、わざわざ恵衣くんの事を叔父さんだなんて。
案の定恵衣くんは分かりやすく怒ってるし、嘉正くんはそんな様子にふんと鼻を鳴らす。
「僕、みんなの分記入しとくから先行っといて。ついでにコンビニでなんか適当なお見舞いのお菓子買っていくよ」
そう名乗り出た来光くんに皆が気を遣う視線を向けた。
その視線から逃げるようにそそくさとナースステーションへ向かう来光くんの背中を見つめる。
「……行こうか」
「だな」
私たちは病室を目指し歩き出した。