みんなもそれに気付いたのか黙って続きの言葉を待っていた。


「不登校の間も何度か家に来てくれたみたいなんだけど、会わなかったんだ。卒業式にも行かなかったから、ノブくんに別れの挨拶をする間もなくお別れになってさ。その事、怒ってるのかな」


昔を思い出しているのか目を細めて遠くを見た。


「いい奴だったんだな、そのノブくんって」

「まあね。僕小さい頃から妖が見えてたんだけど、周りには何一つ理解して貰えなくてさ。でもノブくんは馬鹿にしたりせずに、僕に話をあわせてくれたんだ」


少し寂しげで、でもちゃんと楽しい思い出を懐かしんでいる顔だった。



「ごめん来光。あいつも嫌な奴なのかと思って、心の中で"何だよこのデブ"とか思ってたわ俺」


正直にそう申し出た慶賀くんに、みんなはぶっと吹き出した。

あはは、とお腹を抱えて笑う。


そういうのは黙っていればバレないのに。

まあその正直なところが慶賀くんのいい所なんだけど。


「今度ちゃんと話しかけようぜ、ノブくんに!」

「俺らにも紹介しろよ来光!」



来光くんの背中にのしかかった泰紀くん。

来光くんは驚いた声を上げていつも通り「バカ止めろ!」と楽しそうに言う。


その時、



「おい」