慶賀くんの「ロクな友達いねぇな」発言はタイミングが良くなかったけれど、確かにその通りだ。
来光くん、小学生時代はあまりいい思い出がないみたいだったから、さっき自分から親しげに声をかけに行った時は気を許せる友達もいたんだと思ったのに。
気を落とす来光くんの肩をもんだ嘉正くん。その時。
「おい、お前ら」
離れたところで一人聞き込みを進めていたらしい恵衣くんが大股で歩み寄ってきた。
「やる気あるのか? ないなら帰ってくれないか、迷惑だ」
「ごめん恵衣。続けよう」
ため息をついた恵衣くんは右手に持っていた白いメモを私たちに差し出した。
受け取って確認すると、住所と病院の名前が記されていた。
「お前らがちんたらしてる間に聞いた。次ここ行くぞ」
「これは?」
「被呪者の生徒が入院してるらしい」
決まりだね、と嘉正くんが頷いた。