「あの……実は少し前にテレビで取り上げられるくらい話題になってしもて、そん時先生たちから部外者には喋るなって言われてて……」


嘉正くんのキラキラスマイルに少し頬を赤らめながら申し訳なさそうに二人はそう言う。

そっか……、と残念そうに方を落とした嘉正くん。

すると恵衣くんが突然「いっ……!」と痛そうに小さな悲鳴をあげて嘉正くんの隣に並んだ。太ももの後ろを抑えて鬼の形相で振り向く。どうやら泰紀くんが蹴り飛ばしたらしい。

行け、と口パクで指示を出す泰紀くん。大きなため息をつこうとして不自然に止めると、こめかみを抑えた恵衣くんが頬をひきつらせながら彼女たちを見る。


「……た、のむ。教えてくれないか」

「あなたも妹さんが心配で……?」


目を向いた恵衣くんが「違うッ!」と言いかけた瞬間、嘉正くんが隣から光の速さで恵衣くんの口を抑える。


「そうそう。こいつかなりシスコンでさ。心配になったんだな、オニイチャン?」


泰紀くんが恵衣くんの肩に腕を回してそう言う。

駄目だ、恵衣くんのこめかみの血管がはち切れそうになっている。