改めて、中学生の頃から授業と称して薫先生に色んな現場に連れ回されていた皆の経験値を思い知る。
一二学期と沢山のことを勉強して自分も成長したんだと思っていたけれど、皆に追いつくにはまだかなり時間がかかりそうだ。
「恵衣はどう思う?」
嘉正くんが顔を上げてふとそう尋ねた。
黙って話を聞いていた恵衣くんが視線を泳がせたあと、「……俺もそう思う」と同調する。
少し不思議そうな顔をした嘉正くんだったけれど、すぐに「そう」とだけ言ってまた話し合いに戻る。
「となると、俺たちがしなきゃ行けないことはひとつだね」
「だな」
皆は顔を上げた。
「まずは聞き込みだ!」