「鞍馬の神修のこと、知ってはいたけど生徒と会うのは初めてだな。どんな勉強してるの?」

「部活とかある?」

「鞍馬の神修はどんな制服? やっぱダサい?」

「他にどんな妖がいんの?」


矢継ぎ早に質問する皆に少し苦笑いを浮かべた鬼市くん。

落ち着け、と両手を上げてみんなを宥める。


「全部後で答えるから。でもまずその恵衣ってやつの様子見に行かなきゃ行けないんだろ」


そうだ、恵衣くん。

あれから一時間くらい経ったけれど目は覚めただろうか。



「派手にすっ転んでたもんな。お頭に来年はやるなって言っとく」


代わりに申し訳なさそうな顔をした鬼市くんに、来光くんは「不可抗力だよ」と息を吐く。

私も一時間前のことを思い出して苦笑いを浮かべた。

あの時、恵衣くんの身に何が起きたかと言うと────。