盛り上がる声に頬を緩ませたその時、
『じゃ、俺次の神事あるから抜けるわ』
『年越したし、俺も戻らないと』
『げぇ、巫女頭が俺の事探してるんだけど〜』
年越の感動を分かち合うまもなく、バタバタと抜けていった三人。残ったのは私と来光くんの二人だけだった。
『まぁそりゃ正月だし忙しいよね。一瞬みんな揃っただけでも奇跡だよ』
「大変なんだね、皆……」
そこから少し雑談して、私たち二人も解散することになった。
通話終了、と表示された画面を見つめ、ふと個人のトーク画面を表示させる。
【あけましておめでとうございます。今年もよろしくね】
きっと彼も忙しいだろうから、あえて短く要件だけを伝える。送信ボタンを押して少し待ってみたけれど、案の定既読のマークはいつまで経ってもつかない。
【あけましておめでとうございます。よろしく】私に合わせたのかそれともそれが素なのか、恵衣くんから端的なメッセージが返ってきていたのは明け方の頃だった。