声が印象的で謎ばかりが残るカーテン越しの彼に出会ってから、およそ二週間後。
朝から地味に痛む頭痛に悩まされ、午前中の休み時間を使い保健室を訪れた。



「先生、頭痛がひどいのでベッドで横になってもいいですか」



今回で二度目となる保健室。
足を踏み入れた途端目が自然と彼の姿を探したのは、出会ったあの日の記憶が根強く残ったから。


奥のベッドのカーテンが閉まってる様子を横目で確認。
養護教諭から手渡された記録表には、あの日と同様名前欄には再び★マーク一つだけが書かれている。


またお話できるかもしれない。


窓から差し込む風が肩までの短い髪を軽く靡かせる。
ベッドに向かってる最中、隣の床に揃えてある★マークの上履きを見て、隣のベッドにいるのは彼だと確信した。