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「病院来るとさ、やっぱちーちゃんのこと思い出すよなあ」
診察を終えて、会計待ちをしている時のこと。
「混んでていつ呼ばれるかわからないから、気候もいいし、自動販売機でジュースでも買って、外のベンチで飲んでれば?」
と、お母さんがお金をくれたので、それに甘えて、ユーイチとふたりで病院の庭へ出た。
今は七月の終わり。夏の真っ只中。
それでも緑あふれるこの町には、涼やかな風が吹く。
「わたしはいつだって思い出してるよ、ちーちゃんのこと。だって仲良しだったもん」
今も仲良しだけれどね。
カコッと缶コーヒーの蓋を開けながら、ちーちゃんの名前を口にしたユーイチの横顔に向かってそう言った。
ベンチに並んで座り、爽やかな風を堪能する高校生のわたしたちふたり。自動販売機の中から選ぶドリンクの種類も、暇の潰し方も、幼い頃とはずいぶん変わった。
「和子は、そうだろうな。ちーちゃんとは本当に親友って感じだったし」
ふっと片頬だけで笑って見せて、缶に口をつけるユーイチ。
汗をかき始めたほうじ茶のペットボトルを、わたしも口に運んだ。
「ちーちゃん、元気かな」
ひとくち飲めば、ひやっとした清涼感が喉を駆け抜ける。
七歳、小学一年生の頃、この病院にわたしが入院していた時。
同じ病室だったちーちゃんと、ちょくちょくお見舞いに来てくれていたユーイチと三人で、かき氷を食べた夏の日を思い出す。
「病院来るとさ、やっぱちーちゃんのこと思い出すよなあ」
診察を終えて、会計待ちをしている時のこと。
「混んでていつ呼ばれるかわからないから、気候もいいし、自動販売機でジュースでも買って、外のベンチで飲んでれば?」
と、お母さんがお金をくれたので、それに甘えて、ユーイチとふたりで病院の庭へ出た。
今は七月の終わり。夏の真っ只中。
それでも緑あふれるこの町には、涼やかな風が吹く。
「わたしはいつだって思い出してるよ、ちーちゃんのこと。だって仲良しだったもん」
今も仲良しだけれどね。
カコッと缶コーヒーの蓋を開けながら、ちーちゃんの名前を口にしたユーイチの横顔に向かってそう言った。
ベンチに並んで座り、爽やかな風を堪能する高校生のわたしたちふたり。自動販売機の中から選ぶドリンクの種類も、暇の潰し方も、幼い頃とはずいぶん変わった。
「和子は、そうだろうな。ちーちゃんとは本当に親友って感じだったし」
ふっと片頬だけで笑って見せて、缶に口をつけるユーイチ。
汗をかき始めたほうじ茶のペットボトルを、わたしも口に運んだ。
「ちーちゃん、元気かな」
ひとくち飲めば、ひやっとした清涼感が喉を駆け抜ける。
七歳、小学一年生の頃、この病院にわたしが入院していた時。
同じ病室だったちーちゃんと、ちょくちょくお見舞いに来てくれていたユーイチと三人で、かき氷を食べた夏の日を思い出す。