.☆.。.:.+*:゚+。 .゚・*..☆.。.:*

病院(ここ)来るとさ、やっぱちーちゃんのこと思い出すよなあ」

 診察を終えて、会計待ちをしている時のこと。

「混んでていつ呼ばれるかわからないから、気候もいいし、自動販売機でジュースでも買って、外のベンチで飲んでれば?」

 と、お母さんがお金をくれたので、それに甘えて、ユーイチとふたりで病院の庭へ出た。

 今は七月の終わり。夏の真っ只中。
 それでも緑あふれるこの町には、涼やかな風が吹く。

「わたしはいつだって思い出してるよ、ちーちゃんのこと。だって仲良しだったもん」

 今も仲良しだけれどね。

 カコッと缶コーヒーの蓋を開けながら、ちーちゃんの名前を口にしたユーイチの横顔に向かってそう言った。

 ベンチに並んで座り、爽やかな風を堪能する高校生のわたしたちふたり。自動販売機の中から選ぶドリンクの種類も、暇の潰し方も、幼い頃とはずいぶん変わった。

「和子は、そうだろうな。ちーちゃんとは本当に親友って感じだったし」

 ふっと片頬だけで笑って見せて、缶に口をつけるユーイチ。
 汗をかき始めたほうじ茶のペットボトルを、わたしも口に運んだ。

「ちーちゃん、元気かな」

 ひとくち飲めば、ひやっとした清涼感が喉を駆け抜ける。

 七歳、小学一年生の頃、この病院にわたしが入院していた時。
 同じ病室だったちーちゃんと、ちょくちょくお見舞いに来てくれていたユーイチと三人で、かき氷を食べた夏の日を思い出す。