「そう、ですか……」
テメさんのくれた回答に納得いっていないのか、思わず敬語で返すわたし。
その後は言葉を続けられずに、ユーイチが会話を引き継いだ。
「あ、はじめましてテメさん。俺、和子の幼なじみの裕一っていいます」
「そうなんだ。はじめまして」
「まじで怪我、大丈夫っすか?けっこう痛そうっすけど……」
「あはは、大丈夫大丈夫。ホームレス生活してると、時々こういうことあるし。もう慣れっこだよ」
「なら、いいんすけど…」
蝉の声が、段々と朧げになり聞こえなくなっていく。テメさんとユーイチのやり取りも、わたしは聞いているようで聞いていなかった。
大事なウクレレ。
こんな嬉しいこと、他にない。
テメさんの声が、耳に残る。あのウクレレは、元奥さんと付き合っていた頃にもらったものだとわたしは知っているから、彼はもしかしたら、今でも彼女のことが好きなのかもしれないと思った。
テメさんのくれた回答に納得いっていないのか、思わず敬語で返すわたし。
その後は言葉を続けられずに、ユーイチが会話を引き継いだ。
「あ、はじめましてテメさん。俺、和子の幼なじみの裕一っていいます」
「そうなんだ。はじめまして」
「まじで怪我、大丈夫っすか?けっこう痛そうっすけど……」
「あはは、大丈夫大丈夫。ホームレス生活してると、時々こういうことあるし。もう慣れっこだよ」
「なら、いいんすけど…」
蝉の声が、段々と朧げになり聞こえなくなっていく。テメさんとユーイチのやり取りも、わたしは聞いているようで聞いていなかった。
大事なウクレレ。
こんな嬉しいこと、他にない。
テメさんの声が、耳に残る。あのウクレレは、元奥さんと付き合っていた頃にもらったものだとわたしは知っているから、彼はもしかしたら、今でも彼女のことが好きなのかもしれないと思った。