.☆.。.:.+*:゚+。 .゚・*..☆.。.:*
ユーイチの家からわたしの家までの道中にある小橋の下に、テメさんは住んでいる。だからその橋を通れば、ふと思い出してしまうテメさんのこと。
今朝も会ったのに、今はなにをしているのかなと気になった。
ちょん、とユーイチの半袖を引っ張って聞く。
「ねえ、ユーイチ。ちょっと橋の下まで下りてみてもいい?」
「え?いいけど、なんで?」
「ほら、昨日わたしが話したホームレスいるじゃん」
「あー、なんだっけ。テ、テ……」
「テメさん」
「ああそうだ、テメさん」
「テメさんが今なにしてるか、確認したい」
そう言いつつ、わたしはわたし自身のことを悪趣味だなと思った。
人の私生活を覗き込んで、一体なにが楽しいのかと。
けれどわたしがテメさんに対して興味を持っているのは、『ホームレスだから』という単純な理由だけではない。彼の話す内容に、刺激を受けている自分がいる。
えー、と多少渋ってはいたものの、わたしがしつこく懇願すれば、ユーイチは「しょうがねえなあ」と折れてくれた。
「和子とテメさんはもう、知り合いなんだろ?俺、彼となに話しゃいいの」
「うーん、テキトーにそこら辺で立ってれば?」
「……きっまず」
そんな会話をしながら、下りる階段。しかし橋の下には、誰もいなかった。
「いねえじゃん」
人っこひとりいない空間を見て、ユーイチがぽつりと呟く。「帰ろうぜ」と踵を返そうとした彼の腕を、わたしは掴んで止めた。
「ちょっと待って、なんかおかしい」
「は?」
「だって、荷物がっ」
ユーイチの家からわたしの家までの道中にある小橋の下に、テメさんは住んでいる。だからその橋を通れば、ふと思い出してしまうテメさんのこと。
今朝も会ったのに、今はなにをしているのかなと気になった。
ちょん、とユーイチの半袖を引っ張って聞く。
「ねえ、ユーイチ。ちょっと橋の下まで下りてみてもいい?」
「え?いいけど、なんで?」
「ほら、昨日わたしが話したホームレスいるじゃん」
「あー、なんだっけ。テ、テ……」
「テメさん」
「ああそうだ、テメさん」
「テメさんが今なにしてるか、確認したい」
そう言いつつ、わたしはわたし自身のことを悪趣味だなと思った。
人の私生活を覗き込んで、一体なにが楽しいのかと。
けれどわたしがテメさんに対して興味を持っているのは、『ホームレスだから』という単純な理由だけではない。彼の話す内容に、刺激を受けている自分がいる。
えー、と多少渋ってはいたものの、わたしがしつこく懇願すれば、ユーイチは「しょうがねえなあ」と折れてくれた。
「和子とテメさんはもう、知り合いなんだろ?俺、彼となに話しゃいいの」
「うーん、テキトーにそこら辺で立ってれば?」
「……きっまず」
そんな会話をしながら、下りる階段。しかし橋の下には、誰もいなかった。
「いねえじゃん」
人っこひとりいない空間を見て、ユーイチがぽつりと呟く。「帰ろうぜ」と踵を返そうとした彼の腕を、わたしは掴んで止めた。
「ちょっと待って、なんかおかしい」
「は?」
「だって、荷物がっ」