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「アメリカに行く、行かない」
昔は花占いというものが、若者の間で流行したらしい。
「行く、行かない、行く」
一輪の花の花びらを一枚千切るごとに、好きと嫌いを交互に口にし、最後の一枚を千切った時に言った言葉を、恋慕を寄せる相手の気持ちだとする恋の占い。
「行かない、行く、行かない……」
わたしはそれで、ユーイチとの恋ではなく、心臓手術の要否を占ってみた。
昼間なのにもかかわらず、家の食卓でだらんと項垂れていたひまわりを、お母さんが新しいものと変えようとしていたので頂戴して、黄色い花びらを摘まんでは、本体から切り離していく。
ひまわりの花びらに見える部分は、実は舌状花と呼ばれている花の一部で、花びらではないということを知らなかったわたしは、たった五枚しか備わっていないひまわりの花びらを、けっこうな時間をかけて抜いていった。
「行く」
そしてようやく出た占いの結果は、アメリカに行くというもの。
「え、行くかあ。え〜……」
だけど結局踏ん切りがつかなかったわたしは、占なったこと自体をなかったことにして、費やした時間を丸ごとパアにした。
「なにやってんだろ、わたし……」
散らばった黄色い花の残骸に、吹きかける溜め息。
以前よりは、アメリカ行きをプラスに考えられるようになったと思うけれど、わたしはまだまだ悩みの渦中。
あと一歩の勇気が出ずにいる。
後退はしていないけれど、前進も出来ない状態の日々が続く。
そんなわたしの元へ、ある人たちがやって来た。
「アメリカに行く、行かない」
昔は花占いというものが、若者の間で流行したらしい。
「行く、行かない、行く」
一輪の花の花びらを一枚千切るごとに、好きと嫌いを交互に口にし、最後の一枚を千切った時に言った言葉を、恋慕を寄せる相手の気持ちだとする恋の占い。
「行かない、行く、行かない……」
わたしはそれで、ユーイチとの恋ではなく、心臓手術の要否を占ってみた。
昼間なのにもかかわらず、家の食卓でだらんと項垂れていたひまわりを、お母さんが新しいものと変えようとしていたので頂戴して、黄色い花びらを摘まんでは、本体から切り離していく。
ひまわりの花びらに見える部分は、実は舌状花と呼ばれている花の一部で、花びらではないということを知らなかったわたしは、たった五枚しか備わっていないひまわりの花びらを、けっこうな時間をかけて抜いていった。
「行く」
そしてようやく出た占いの結果は、アメリカに行くというもの。
「え、行くかあ。え〜……」
だけど結局踏ん切りがつかなかったわたしは、占なったこと自体をなかったことにして、費やした時間を丸ごとパアにした。
「なにやってんだろ、わたし……」
散らばった黄色い花の残骸に、吹きかける溜め息。
以前よりは、アメリカ行きをプラスに考えられるようになったと思うけれど、わたしはまだまだ悩みの渦中。
あと一歩の勇気が出ずにいる。
後退はしていないけれど、前進も出来ない状態の日々が続く。
そんなわたしの元へ、ある人たちがやって来た。