それからも、黒百合家には全国各地の呪術家系から縁談の文が送られてきた。
驚いたことに、貴一が破り捨てたあの東雲家からもこりずに文が届く。
あれほど、東雲家には嫁にやらんと言っていた貴一。
しかし、玻玖から送られ続けてくる文を見て、貴一の中で少しずつ気持ちが揺らぎ始めていた。
――そして、ある日。
貴一の部屋に、『大事な話がある』と言われて呼ばれた八重と乙葉。
一応、和葉も。
座布団の上であぐらをかいて座る貴一。
その前に向かい合うようにして正座する八重と乙葉。
和葉は、まるで空気かのように存在薄く部屋の隅で正座をして、3人の話を後ろから眺めていた。
「“大事な話”ってなに?お父様」
「ああ。それは…、乙葉の縁談についてだ」
「わたくしの…!?」
目を丸くして驚く乙葉。
驚いたことに、貴一が破り捨てたあの東雲家からもこりずに文が届く。
あれほど、東雲家には嫁にやらんと言っていた貴一。
しかし、玻玖から送られ続けてくる文を見て、貴一の中で少しずつ気持ちが揺らぎ始めていた。
――そして、ある日。
貴一の部屋に、『大事な話がある』と言われて呼ばれた八重と乙葉。
一応、和葉も。
座布団の上であぐらをかいて座る貴一。
その前に向かい合うようにして正座する八重と乙葉。
和葉は、まるで空気かのように存在薄く部屋の隅で正座をして、3人の話を後ろから眺めていた。
「“大事な話”ってなに?お父様」
「ああ。それは…、乙葉の縁談についてだ」
「わたくしの…!?」
目を丸くして驚く乙葉。