「つまり、あの東雲玻玖という男は、黒百合家が神導位になる前に神導位だった呪術師の子孫ということ?」
「そういうことになるな」
首をかしげて尋ねる乙葉に、貴一はうなずく。
300年前の黒百合家のことや、当時の東雲家についても調べようとした貴一。
しかし、蔵にある書物はみな、黒百合家が神導位に初めて着任したときからのもので、それより前のものは残されていなかった。
「これ…300年前の書物なのね〜。どうりで汚いと思った。でも、どうしてそれ以前のものはないの?」
再びクッキーをかじりながら、貴一に顔を向ける乙葉。
「わしも先々代から聞いた話だが、どうやらちょうどその時期、この屋敷が火事になったそうだ」
火事は黒百合家の屋敷を飲み込み、蔵にあったそれまでの書物もすべて灰になったのだそう。
「そういうことになるな」
首をかしげて尋ねる乙葉に、貴一はうなずく。
300年前の黒百合家のことや、当時の東雲家についても調べようとした貴一。
しかし、蔵にある書物はみな、黒百合家が神導位に初めて着任したときからのもので、それより前のものは残されていなかった。
「これ…300年前の書物なのね〜。どうりで汚いと思った。でも、どうしてそれ以前のものはないの?」
再びクッキーをかじりながら、貴一に顔を向ける乙葉。
「わしも先々代から聞いた話だが、どうやらちょうどその時期、この屋敷が火事になったそうだ」
火事は黒百合家の屋敷を飲み込み、蔵にあったそれまでの書物もすべて灰になったのだそう。