「…で、これがなんだっていうのかしら?」
首を傾げる八重。
「『東雲』という名前…。最近では聞かなかったが、以前どこかで見たことがあるような気がしてな」
そう思って貴一は1人で調べ、黒百合家の蔵に保管されていたこの書物を見つけたのだった。
貴一は、最初の1ページ目をめくる。
それを見た八重と乙葉は、思わずお茶といっしょに食べていたクッキーを持つ手を止める。
なぜなら、そのページには――『東雲』という文字があったからだ。
内容は、黒百合家が初めて神導位になったときのもので、東雲家からその座を勝ち取ったと記してあった。
つまり、黒百合家が300年前に神導位の座につく前に着任していたのが、――東雲家だったのだ。
聞こえてくる話から、和葉でもだいたいの内容は把握できた。
首を傾げる八重。
「『東雲』という名前…。最近では聞かなかったが、以前どこかで見たことがあるような気がしてな」
そう思って貴一は1人で調べ、黒百合家の蔵に保管されていたこの書物を見つけたのだった。
貴一は、最初の1ページ目をめくる。
それを見た八重と乙葉は、思わずお茶といっしょに食べていたクッキーを持つ手を止める。
なぜなら、そのページには――『東雲』という文字があったからだ。
内容は、黒百合家が初めて神導位になったときのもので、東雲家からその座を勝ち取ったと記してあった。
つまり、黒百合家が300年前に神導位の座につく前に着任していたのが、――東雲家だったのだ。
聞こえてくる話から、和葉でもだいたいの内容は把握できた。