八重たちとは反対側の席で和葉も出されたお茶を飲んでいたが、貴一は和葉のことを気にもとめない。
「まあ、どうしたの?貴一さん」
「2人とも、これを見てみろ」
貴一はテーブルの上に、持ってきた古い書物を置く。
「お父様、…これは?」
「黒百合家がこの300年、神導位についてからの記録が書かれてあるものだ」
「へ〜、そうなんだ」
乙葉は興味なさそうにつぶやくと、埃っぽいの書物を指先でわずかに挟んで汚らしそうに表紙をめくる。
年代別に、神導位着任時期とそのときの当主の名前が書かれてある。
これと同じものに貴一も神導位継続のたびに書き記していて、貴一が持っているものは6冊目。
テーブルにあるものはその1冊目となり、約300年前に黒百合家が初めて神導位の座についたときに書きとめ始めた記録だった。
「まあ、どうしたの?貴一さん」
「2人とも、これを見てみろ」
貴一はテーブルの上に、持ってきた古い書物を置く。
「お父様、…これは?」
「黒百合家がこの300年、神導位についてからの記録が書かれてあるものだ」
「へ〜、そうなんだ」
乙葉は興味なさそうにつぶやくと、埃っぽいの書物を指先でわずかに挟んで汚らしそうに表紙をめくる。
年代別に、神導位着任時期とそのときの当主の名前が書かれてある。
これと同じものに貴一も神導位継続のたびに書き記していて、貴一が持っているものは6冊目。
テーブルにあるものはその1冊目となり、約300年前に黒百合家が初めて神導位の座についたときに書きとめ始めた記録だった。