「ございます!帝があっと驚かれるような呪術を!」

「ほう。それは一体なんじゃ?」

「世にも珍しい『予知眼ノ術』です!」


それを聞いて、目を丸くする帝。

帝自身も『予知眼ノ術』を使う呪術師を見たことがなかったからだ。


「なんと!それはまことか!」

「はい!我が娘、乙葉にその呪術が宿っております!」


これ見よがしに、乙葉の存在を主張する貴一。

見学だけのつもりが、まさか突然自分の名前を出されるとは思っていなかった乙葉は、とっさに愛想笑いを浮かべる。


「『予知眼ノ術』…ですか。それはすごい力をお持ちのようだ」


玻玖から感嘆の声がもれる。


「玻玖はどうじゃ?『予知眼ノ術』は扱えんのかの?」

「帝さん、そんな簡単に言わないでくださいよ。『予知眼ノ術』なんて、だれにでも習得できるものではないですよ」