…鈍い音が玻玖の耳に届く。

と同時に、激しかった落雷がピタリと止む。


「…和葉……?」


震える声で立ち尽くす玻玖の目の前で――。

和葉は力なく倒れ込んだ。


「…和葉!…和葉!!」


玻玖は何度も叫ぶが、和葉は目を覚まさない。


その和葉の腹部には、貴一の短刀が突き刺さっていた。


「…悪く思うな、和葉。まさかお前が、わしをも遥かに凌ぐ呪術を宿しているとは思わなんだ」


貴一が腕を引くと、和葉の腹部に刺さっていた短刀も同時に抜ける。


「次はお前だ、東雲」


玻玖を睨みつける貴一。

しかし、そんな貴一には目もくれず、玻玖は動かなくなった和葉を呆然と見下ろしていた。


「…和…葉……」


玻玖は膝から崩れ落ちると、そっと和葉を抱き起こした。


周りの呪術師たちは騒然となる。