貴一はニヤリと微笑む。
「そもそも東雲、ありがたく思え!こうして、お前の頼みを聞いてやったのだから」
「…頼み?」
「そうだ。忘れたとは言わさんぞ!お前が乙葉に伝えるように言ったのだからな。今度は自分でこいと」
それは、『空渡ノ術』で飛ばされようとしていた乙葉に言った玻玖のあのひと言――。
『あと、黒百合さんに伝えてほしい。俺を葬りたければ、今度は自らがお出でになるようにとな』
その言葉に、貴一はこの手で玻玖を討つことを決めた。
しかも、乙葉といっしょに返した――あの短刀で。
貴一から渡されたものであったから、和葉が他のものと見間違うはずがない。
あれはたしかに、玻玖を殺すようにと命じられて持たされた短刀だった。
「和葉、お前は俺の後ろにいろ」
「…それでは、旦那様は――」
「そもそも東雲、ありがたく思え!こうして、お前の頼みを聞いてやったのだから」
「…頼み?」
「そうだ。忘れたとは言わさんぞ!お前が乙葉に伝えるように言ったのだからな。今度は自分でこいと」
それは、『空渡ノ術』で飛ばされようとしていた乙葉に言った玻玖のあのひと言――。
『あと、黒百合さんに伝えてほしい。俺を葬りたければ、今度は自らがお出でになるようにとな』
その言葉に、貴一はこの手で玻玖を討つことを決めた。
しかも、乙葉といっしょに返した――あの短刀で。
貴一から渡されたものであったから、和葉が他のものと見間違うはずがない。
あれはたしかに、玻玖を殺すようにと命じられて持たされた短刀だった。
「和葉、お前は俺の後ろにいろ」
「…それでは、旦那様は――」