その夜更け。

妙に外が騒がしく、和葉は眠気が薄れ目を覚ます。


今日は、とても大きな満月。

その明かりは部屋の中まで漏れていたが、それにしては明るすぎるような。


そう思った和葉が障子を開けると――。


なんと屋敷の中が燃えていた!


「…火事…!?」


愕然とする和葉のところへ、慌てた様子の菊代が駆けつける。


「和葉様、お逃げください!」

「逃げると言っても、なぜこんなことに…!」

「他の呪術師たちが攻めてきたのです!!」


菊代の言葉に、一瞬頭の中が真っ白になる和葉。


「攻めるって…どうして……」

「…わかりません!しかし、玻玖様のお力を妬んだ者の仕業かと思われます!」


菊代はなんとか和葉を引っ張り立ち上がらせると、和葉を連れて廊下を走る。


「旦那様は…!?」