しかし、玻玖の話を聞いていた和葉は、それは自分を守るためのものだと知る。
「もし和葉が泣きたくなったら、ある言葉を言い聞かせるように術をかけていた」
「ある言葉…?それは――」
「『泣いてはいけないよ』」
和葉は驚いた。
それは、和葉がつらいときや悲しいとき、泣きたくなったらいつも励ますように語りかけてくれた言葉だった。
まさか、それをかけてくれていたのが玻玖だったとは――。
その話を聞いた和葉は、玻玖にとても感謝した。
あの言葉があったからこそ、孤独でもここまで生きてこられたと。
玻玖の『言ノ葉ノ術』は、貴一がかけたものとはまったく違う。
和葉を想った、やさしく思いやりのある負の呪術だった。
「…しかし、黒百合さんの『言ノ葉ノ術』を解いたことで、俺のものも解けてしまった。今の和葉は、いつ『森羅万象ノ術』が発動してもおかしくない状況だ」
「もし和葉が泣きたくなったら、ある言葉を言い聞かせるように術をかけていた」
「ある言葉…?それは――」
「『泣いてはいけないよ』」
和葉は驚いた。
それは、和葉がつらいときや悲しいとき、泣きたくなったらいつも励ますように語りかけてくれた言葉だった。
まさか、それをかけてくれていたのが玻玖だったとは――。
その話を聞いた和葉は、玻玖にとても感謝した。
あの言葉があったからこそ、孤独でもここまで生きてこられたと。
玻玖の『言ノ葉ノ術』は、貴一がかけたものとはまったく違う。
和葉を想った、やさしく思いやりのある負の呪術だった。
「…しかし、黒百合さんの『言ノ葉ノ術』を解いたことで、俺のものも解けてしまった。今の和葉は、いつ『森羅万象ノ術』が発動してもおかしくない状況だ」