「それでは、ここに写る方が旦那様だったのですね」


玻玖の素顔を初めて見たとき、どこかで見たことがある顔だとは思っていた。

それが、まさか写真に写っていた人物だったとは。


「それにしても、本当にわたしによく似ていらっしゃる」


和葉はまじまじと写真を見つめる。


「でも、似ているというだけで、わたしには話に聞く瞳子さんのように呪術の才能はありません。本当に生まれ変わりなのでしょうか…」

「…和葉。お前は、呪術の才能がないんじゃない。呪術が使えないように、封じ込まれているんだ」

「……え…?」


初めて聞かされたことに、驚く和葉。


ずっと呪術は使えないと思っていた和葉だが、それは実は意図的に封印されていたのだった。


「これは、俺がお前にかけたもう1つの『言ノ葉ノ術』の話に繋がる」