そこで、和葉が手にしていたものを見て、思わず息を呑んだ。


「…それは……!」


涙ぐむ玻玖の声。


和葉の手にあったのは、着物を着た男が写っている写真だった。

それは以前、和葉が着物蔵からこの桜色の着物を取り出したときに、たとう紙の中から見つけたもの。


玻玖は和葉の横に膝をつくと、持っていた瞳子の写真と合わせる。

すると、その破れた境目はピタリと合致した。


「…どうして、和葉がこれを…!?」

「家の着物蔵でこの着物を見つけたときに、中に入っていたのです」

「そうか…。この着物、瞳子のものとよく似ているとは思っていたが…、瞳子自身のものだったんだな」


この桜色の着物は、瞳子のお気に入りだった。

大切な着物に、大切な写真を入れて。


2人が写る写真は300年という時を超えて、再びひとつとなることができた。