そこで、急遽神導位の座についたのが、準神導位であった黒百合家。


それからも、年に一度の呪披の儀では貴臣に勝る呪術師は現れず、黒百合家は神導位として名を馳せることに。


その後、呪披の儀は5年に一度となり、貴臣は力ある呪術家系の娘と結婚し、子どもが生まれ――。

2人から生まれた呪術の才能に恵まれたその子どもも、大きくなるとまた新たな呪術家系の者と結婚し――。


そうして、今の黒百合家が築かれていった。


黒百合家は、だれもが知る最高峰の呪術家系。


しかし、そこに至るまでには、愛し合っていた2
人の悲しい死があったことを…人々は知らない。



そして、時間は再び現在に戻される。


壮大な玻玖の話に驚き、息を呑む暇もなかった和葉。


「もしかして、その…『瞳子』さんの生まれ変わりというのが…」