…という内容で処理された。


冬貴はそれからしばらくして、同じ敷地に新しい黒百合家の屋敷を建て、愛人を新しい妻として迎えた。


その女も、火事の日に落雷に打たれて一時は生死をさまよったが、奇跡的に回復した。

ただ、痛々しいやけどの跡が体中に刻まれた。


冬貴はそんな女と再婚し、また新たな人生を歩み出すかに思えた。

しかし、その顔は幸福とはかけ離れて、まるで死人のようだった。


実の娘を自らの手で殺したというだれにも打ち明けることのできない罪は本人の心を蝕み、精神を病ませた。


使いものにならない冬貴に苛立つ女だったが、代わりに貴臣が期待以上の働きをした。

女は呪術とは縁のない人間であったが、貴臣には偶然にも呪術の才能が芽生えており、その後の黒百合家を立て直した。


瞳子とともに玻玖も死んだことを知らない世間は、突然神導位がいなくなったと騒いだ。