そんな瞳子を失った玻玖にはもはや生きる気力はなく、復讐心すらも湧いてこない。


瞳子がいない人生など、生きている意味がないからだ。


願うのは、――『瞳子といっしょにいたい』。

ただそれだけだった。


「…瞳子、俺も愛している。必ず、来世に迎えにいく。そして、そこで夫婦となろう」


玻玖はそう瞳子に誓った。


玻玖は、瞳子とともに炎に包まれる直前――。

2つの呪術を発動した。


1つ目は、『予知眼ノ術』。

これまでは、戦術を練る道具として少し先の出来事しか視てこなかったが、玻玖には何百年先をも視る力があった。


後の後の世を視て、いつ、どこで、瞳子の生まれ変わりが誕生するのかを探した。


そして、来世の瞳子のおおよその誕生年月を把握した玻玖は、最後の呪術を自分にかける。