そんな思いを抱えた呪術師たちが、全国から都に集結した。

これが、のちに『呪披の儀』が誕生するきっかけとなる。


玻玖は、次々とやってくる呪術師相手に試されることに。

要は、将軍の退屈しのぎとなる余興のようなもの。


毎日に楽しみを見出だせていなかった玻玖も暇潰しとして手合わせしてみるが、どれも足元にも及ばない呪術師ばかりだった。


そんなある日。

玻玖が初めて、手合わせしてみて『おもしろい』と思えるような呪術師が現れる。


名は、『黒百合瞳子』。

代々、呪術の力で商いで財をなしてきた呪術家系、黒百合家の現当主、冬貴(ふゆき)の娘であった。


まだ15歳になったばかりの少女でありながら、これまでの呪術師とは違い、玻玖の繰り出す呪術をすべて真似ることができた。


しかし、あと一步及ばずで、玻玖に勝ることはできなかった。