「え…?」

「俺のこの姿を見ても」


玻玖はまるで蔑むように、自分の体に視線を送る。

自信のないような玻玖の姿は初めて見る。


和葉はゆっくりと腕を伸ばすと、その腕を玻玖の首に絡めて抱きしめる。


「驚きましたが、恐ろしくなどございません。とてもお美しくて神々しいです」

「…和葉」

「それに、どんなお姿をしていたって、旦那様は旦那様です」


和葉の言葉を聞き、玻玖から笑みがこぼれる。


「ありがとう、和葉。これからもずっと大切にする」


玻玖も和葉の背中に腕をまわして抱きしめる。


「お礼を言うのは、わたしのほうです。わたし…、生きていてよかったです」


うれし涙があふれ出す和葉。

2人は、隠していたお互いの姿を受け入れるかのように、強く強く抱きしめあった。


その後、手を握り縁側に座る和葉と玻玖。