時間は、和葉が自らの死を決める少し前にさかのぼる――。
「ダメです!東雲様は、わたくしとここにいてください!」
逃すまいと、玻玖の腕に抱きつく乙葉。
「…いや、しかし――」
「旦那様、わたしは1人で大丈夫ですから…」
そう言って、和葉はお茶を淹れに1人で行ってしまった。
その場に残される玻玖と乙葉。
玻玖は小さくため息をつく。
「悪いが、そろそろ離してもらえないか」
「イヤですっ。離したら、東雲様はお姉ちゃんのところへ行ってしまわれるでしょ?」
「そうだな。そなたには興味がないからな」
面越しに乙葉に鋭い視線を送る玻玖。
しかし、乙葉はまったく物怖じしない。
「それに、仮にもそなたは嫁入り前の娘であろう。夫となるべき男以外に、勘違いさせるような行いはやめたほうがいいぞ」
「ダメです!東雲様は、わたくしとここにいてください!」
逃すまいと、玻玖の腕に抱きつく乙葉。
「…いや、しかし――」
「旦那様、わたしは1人で大丈夫ですから…」
そう言って、和葉はお茶を淹れに1人で行ってしまった。
その場に残される玻玖と乙葉。
玻玖は小さくため息をつく。
「悪いが、そろそろ離してもらえないか」
「イヤですっ。離したら、東雲様はお姉ちゃんのところへ行ってしまわれるでしょ?」
「そうだな。そなたには興味がないからな」
面越しに乙葉に鋭い視線を送る玻玖。
しかし、乙葉はまったく物怖じしない。
「それに、仮にもそなたは嫁入り前の娘であろう。夫となるべき男以外に、勘違いさせるような行いはやめたほうがいいぞ」