玻玖の握ってくる手がほてっていて、いつもよりも温かい。

そして、「ちょっといいか」と声をかけた玻玖が和葉の膝に頭を乗せた。


「だ…旦那様…!」

「…ああ、いい心地だ」


驚く和葉の膝の上で、玻玖はそのままうたた寝してしまった。


なんでもそつなくこなす玻玖。

にんじんが苦手なことは知っていだが、酒はそもそも体質に合わないようであった。


三々九度の盃のように口に含む程度の少量ならまだしも、それ以上はすぐに酔いがまわってしまう。


乙葉もいたため、食事の場では普段どおりを装っていた。


しかし、和葉と2人きりになって気がゆるむと、こうして酔いに負けて力が抜けてしまうのだった。


その乙葉はというと、食事が終わってから部屋へ入ったきり出てこない。

明かりも消えているようで、どうやらすでに眠ってしまったようだ。