なんと、乙葉の結婚が決まったのだ。


そこで近々結納が執り行われ、その場で両家の顔合わせもあるため、一度戻ってきてほしいという内容だった。


「乙葉が、結婚…!」


その知らせに、和葉は驚いた。


乙葉にも散々ひどいことをされてきたが、幼少期は仲のよかった双子の姉妹。

そんな乙葉が結婚すると聞いて、これまでの行いを思い返すよりも、今は素直にうれしく思えたのだった。


結納は、今から10日後の9月30日。

玻玖もぜひにと書いてある。


――しかし。


「…旦那様、その日は…」

「ああ。皇居へ出かけているな」


その日は、帝の誕生日。

毎年、帝に縁のある者が皇居に招待され、帝の生誕を祝うのだ。


去年、初めて招待された玻玖。

今年は結婚もし、和葉も呼ばれていた。


2人で出席予定だったが、ちょうどその日に乙葉の結納――。