帝はというと、ぽかんと口を開けて聞いていたが、ゆっくりと頬をゆるませる。


「『見せ物ではない』…か。そうじゃの〜、わらわが間違っておった。すまんの」

「み…帝様!なにもお謝りになることなど――」

「かまわん。悪いのはわらわじゃ」


予想外の展開に、目を丸くする和葉。

玻玖は帝の言葉にようやく落ち着き、和葉の隣に敷かれた座布団の上へ座り直した。


「玻玖よ。そなたのことはどこかつかみどころがない男と思っておったが、だれかのために感情的になることもあるのだな」


にんまりと微笑む帝に、恥ずかしそうに顔を背ける玻玖。


「よかったの〜、和葉。玻玖がよき夫で」

「は、はい…!わたしにはもったいないくらいで…」

「そなたも十分、よき妻であるぞ。これからも夫婦2人、仲ようせい」

「はい!」