この娘は、本当に“愛”に飢えているのだと。

その感情に支配されてしまっていると。


そして、玻玖には予想もついていた。


今回の暗殺の件も聞こえのいい言葉で和葉を操り、成功すれば安くさい愛情を与え、そしてまた道具のように扱うのだろうと。


「旦那様の暗殺という両親の言いつけを、わたしは守ることができませんでした。言いつけを守れなかったことは…今回が初めてです。おそらくわたしには、処分が下されることでしょう」


自分の運命がわかっているというのに、尚も強がって無理に笑顔をつくる和葉。


「…ですが、先に旦那様からの処分を受けなければ」


夫となった者を殺そうとたくらんでいた。

逆に、殺されたって仕方のないことをした。


しかし、和葉はとうに覚悟はできていた。


「旦那様、申してください。なんだってします…!わたしの処分は、一体――」